音楽家としての夢が捨てられず、毎年交響楽団のオーディションを受けるヒョヌ。恋人のヨヌの心も離れがちだが引き止めることも出来ない。夢を諦められないが、現実は厳しい・・・そんな中、生活のために市民講座の講師をするのだがやりきれない思いを抱えている・・・。
半ばやけくそ気味?にソウルを離れ、江原道の中学で吹奏楽部の顧問を引き受けることにしますが、ヒョヌはこの炭鉱に頼るさびれた田舎町でどう再生していくのか・・・。
淡々と時が流れるこの映画は、年齢を重ねた人ほどヒョヌの心情が理解できて切なくなってしまうんじゃないかしら・・・(^^;)
慌てて家に電話するつもりが長年の恋人ヨヌにかけてしまったり、お酒を飲んで母が心配になり実家に行こうとするんだけどふと気づくと以前住んでいた家の前に来ていたり・・・ヨヌに引越し先を知らせなかったり・・・もう若くはないヒョヌのそんな行動が、よく分かってしまう自分の年が哀しいわ(^^;)
何か目新しい出来事が起きるわけではありません。それぞれが抱える悲しみをヒョヌが救い上げたり、逆に子供たちや薬局のスヨンによってヒョヌが慰められたり・・・そんなちょっとしたやり取りが暖かく、徐々に彼らの距離を縮めていきます。
「冬が終わらないで欲しい」
「私もそう思っていたけど・・・確かに春は来るわ。
春は、去ってはまた来る。そのくり返し。
少し立ち寄るだけ・・・先生のように。
・・・そして、また来る。」
音楽一筋の堅物ではなく、俗っぽい部分を持っているヒョヌなので、共感が持てるんです。それでも音楽が好きで、何とか子供たちに続けさせてやりたいと、大きなことではなく、できる事をさりげなくごく普通に行動に移していきます。
主要な生徒3人以外は現地の中学生(吹奏楽部)なんですね。自然でしたわ~(^^)
海辺で家出したジェイルがヨニにトランペットを聴かせるシーンは泣ける!
最後に、部員の中でうつしあっている眼病(常に誰かが眼帯してる^^;)が最後にヒョヌがかかるってのが笑えましたね~(^^)小技も利いてます。
音楽家崩れの、ちょっとよれよれした中年がまたしっくり来ちゃうところが役者ですよねぇ。カリスマの姿はなし(爆)でもこっちのポスターは素敵なのよねぇ♪